
あなたは1日にどのくらい水分を摂取していますか?
意外と意識して考えないと自分がどのくらいの水分を摂っているのかってわかりませんよね。
水分の摂取の仕方はお水を飲むだけではなく、食べ物からも摂取しています。
しかし、食べ物だけでは当然、必要な水分量はカバーすることは難しいです。
「お水はこまめに飲みましょう」と言われてもつい忘れてしまいますし、お水の重要性について知らないと億劫な人にとっては「なんで飲まなきゃいけないの?」となってしまいます。
今回はお水は身体にとってどのような働きをするのか、コーヒーは水分補給になるのか、お水の正しい飲み方について考えていきたいと思います。
- 1日に必要な水分量は体重30kgあたり1リットル
- 食べ物の水分量は減ってきているのでお水を飲むのが大切
- コーヒーやジュースではなく、飲むのはお水が理想
- コーヒーを常飲している人はコーヒーも水分補給になる
- 1回に飲む量はコップ1杯が目安
- 1時間にコップ1杯を目安に飲む
- 起床時・食前30分前・寝る前にはお水を飲む
- 喉が渇いたと感じる前に飲む
目次
身体の中の水分の役割
男性や女性、大人と子供で身体の水分量の割合は多少の変化がありますが、大体60%は水分と言われています。
例えば、60kgの大人の場合だと約36kgが身体の水分量となります。
また、人の血液量は体重の約1/13なので60kgの場合、約4.6kgが血液量です。
そう考えると体重60kgのうち水分と血液だけでも約40.6kgもあります。
血液の中には細胞成分が45%含まれているので正確には全部が液体ではないのですが、血液も液体だと考えてみると人の身体には体重の半分以上は液体が占めることになります。

人にとって水分はなくてはならないものです。
食べ物が無くても3週間ほどは生きていられるかもしれませんが、4日間ほど水分を摂取できなければ恐らく、死んでしまうでしょう。
では、体内にある水分にはどんな役割があるのでしょうか?
体内の水分の役割には
- 運搬
- 環境維持
- 体温の維持
の3つの役割があります。
栄養や老廃物を運搬する
ゴクゴクとお水を飲むと腸で水分が吸収され、細胞1つ1つに酸素や栄養を届けるために使われます。
また、細胞で必要のなくなった老廃物を体内循環しているお水にポイッと捨てて腎臓にて必要なものと不必要なものに分けられ、不必要なものはオシッコとして身体の外に出されます。

身体の水分が不足すると(脱水)酸素も栄養も十分に細胞へ届けられなくなるばかりか、老廃物が身体の中に溜まってしまうことに。
そうなると身体はドロドロと循環がうまくいかなくなり、色々と不具合が生じてきます。

体内の環境を一定に維持する
周りの環境が変化しても身体には一定の状態を維持する力があるため生きていくことができます。
例えば、寒くても暑くても体温は一定に保たれていますし、ph値も一定に保たれています。
運動をすればより酸素を全身に届けようと心臓はドキドキと心拍数を増やしますし、呼吸数も増えます。
これらは意識して自分でなんとかしようと思ってもできませんよね。
人間の身体にはこのように意識しなくても勝手に一定の状態を維持する力があります。
体内の環境を一定に保つことをホメオスタシスと言います。
ホメオスタシスを正常に働かせるためには水分が必要になります。
神経や筋肉など身体が正常に動くためには電解質が必要ですし、体温を一定に保つために汗を出すためにも水分が必要です。
ホメオスタシスが崩れると身体に不具合が起きるばかりか、命の危険すらあります。
汗を出して体温を維持する
人間は活動するとエネルギーによって体温が上昇しますよね。
この上昇した体温を下げるためにも身体は汗を出して体温を一定にコントロールしています。
もしも水分が足りなかったら汗をうまく出すことができず、体温がどんどん上がっていってしまいます。
熱中症なども脱水による症状の一つです。

脱水状態になると身体はどうなるのか
身体から水分が失われていくと、その失われた水分の割合(水分損失率)に応じて様々な症状が出現します。

水分損失率 症状 1% のどが渇くなど 2% すごくのどが渇く、めまい、吐き気、食欲不振など 4% 全身の脱力感、動きが鈍くなる、精神不安定、吐き気など 6% 手足の震え、頭痛、体温上昇など 8% 呼吸困難、めまい、チアノーゼなど 10%〜18% 筋けいれん、失神、聴力損失、尿の生成停止など 20% 命の危険、死亡

運動などによって体温が上昇するとホメオスタシスにより汗をかいたり皮膚に血液を集めたりして過剰な熱を外に逃がそうとします。
しかし、水分損失率が3%を超えたあたりから汗が出なくなってしまうため熱中症のリスクが上がります。
このように運動するときはもちろん日頃から脱水を起こさないためにも、お水をこまめに飲むことは重要なのです。
冬でも脱水になるので注意
冬場の脱水の原因には
- ウイルスによるもの
- 乾燥によるもの
この2つが原因としてあげられます。

ウイルスによるもの
冬はノロウィルスやインフルエンザが流行る季節です。
下痢や嘔吐をすると大量に水分と電解質が身体から失われていきます。
お腹が痛くなるからといって水分を取らないと脱水症状が起こってしまうことに。
また、下痢や嘔吐では水分だけでなく電解質も大量に失われていくので電解質も補給する必要があります。
また、発熱によっても水分は失われていきます。
このようなときは経口補水液で失われた水分と電解質を補給しましょう。

乾燥によるもの
冬場は寒いだけでなく空気も乾燥しています。
寒いため汗はかかないのですが、皮膚と呼吸から水分は失われていきます。
汗とは違い水分が失われていっていることが実感しにくいため、気づかないうちに脱水になってしまう危険性があります。
- 皮膚がカサカサする
- お口の中がネバネバする
- 身体がだるい
このような状態があると脱水の可能性があります。
ウイルス感染をしなくても、冬場は意識してお水を飲むようにしましょう。
不感蒸泄で知らない間に水分が失われている
人間の身体は呼吸や皮膚からも水分が失われています。
汗やオシッコとは違い自分で感じることができないため、このことを不感蒸泄と言います。
1日の不感蒸泄量は室温や体温によっても変化しますが、体重1kgあたり約15mlとされています。
例えば、体重60kgの人だと1日に約900mlは不感蒸泄によって水分が失われていることになりますね。
また、体温が1度上がるごとに15%ずつ不感蒸泄は増えていきます。

冬場は特に寒くて汗をかかないため水分が不感蒸泄によってどんどん失われているのに乾きに気づかず、脱水になってしまいがちなので注意が必要です。
人は1日に約2,400mlの水分を失っている

先ほど説明した不感蒸泄が1日に約900ml。
1日の尿量が約800ml〜約1,600mlとされているので単純に足し算すると2,400mlとなります。
食べ物からでも水分は摂取できるのですが、1日に2,400mlもの水分が身体から失われていっていることから1日にお水を2リットルは飲みましょうと言われているのです。
おおよそ、体重30kgあたり1リットルが水分摂取量の目安となります。
上手な水の飲み方
では、お水はどのようにして飲んだらいいのでしょうか。
- 1日に必要な水分量は体重30kgあたり1リットル
- 食べ物の水分量は減ってきているのでお水を飲むのが大切
- コーヒーやジュースではなく、飲むのはお水が理想
- コーヒーを常飲している人はコーヒーも水分補給になる
- 1回に飲む量はコップ1杯が目安
- 1時間にコップ1杯を目安に飲む
- 起床時・食前30分前・寝る前にはお水を飲む
- 喉が渇いたと感じる前に飲む
その中でも重要なのが、一度に大量に飲まないことです。
お水は1時間にコップ1杯を目安に飲む
お水をしっかり飲みましょうと言っても一度に大量に飲んでしまうと身体には負担となってしまって逆効果となってしまいます。
目安は1時間にコップ1杯(200ml)です。
パソコン作業などで仕事中にずっと同じ姿勢をとる人にとっては1時間作業したらお水を飲むついでにちょっと身体も動かして、固まった筋肉を緩めてみてはいかがでしょうか。
お水をしっかり摂取することで血流も良くなり、筋肉がコリ固まってしまうのも防ぐことができます。
また、マッサージなどを受ける場合は施術前にお水を飲むことで筋肉がより緩みやすくなりますので、マッサージを受ける前にコップ1杯くらいお水を飲んでおきましょう。
コーヒーやジュースでも水分補給にはなるけども
コーヒーやお茶、紅茶などカフェインが入っているものでも水分は補給できます。
しかしカフェインには利尿作用があるためオシッコによる排出が促されてしまいます。
とはいえ、コーヒーなどカフェインが含まれるものを飲んだからといって脱水にまでなるかというと、ならないとされています。
また、日常的にカフェインを摂取している人の場合だと利尿作用がなくなるとの研究結果もあるようです。
僕は日常的にカフェインを摂取しているかといえば、そこまで摂取していませんが眠気を覚ますためにもコーヒーや緑茶はよく飲んでいます。
それでもトイレは近いです。
カフェインは適量なら身体にとって良い成分ですが、コーヒー4〜5杯くらいがちょうど良い量と言われています。
コーヒーを毎日飲んでいてカフェインに耐性ができている人にとっては水分補給になりますし、利尿作用があるといっても大量に尿として排出されるわけではありません。
そのためコーヒーでも水分補給にはなるとされていますが、かといってコーヒーをガブガブ飲むことはオススメできません。
カフェインの含まれる飲み物でも水分は補給できますが、コーヒーならば1日4〜5杯くらいにして純粋にお水を飲むことをオススメします。
また、ジュースでも水分は補給できますが、こちらは大量の糖質が含まれているので水分補給目当てでジュースを飲むのはやめておいた方がいいでしょう。
水分補給のためといってポカリスエットなどの清涼飲料水をガブガブ飲んでしまうと、確実に糖分過多となってしまいます。

寝起きの身体は7時間も水分補給をしていない
睡眠時間は人それぞれ違うのですが、睡眠中は寝ているので水分補給ができません。
しかし、睡眠中も不感蒸泄や発汗で身体から水分は失われていっています。
そのため、朝起きたらまずはコップ1杯、水分補給をしましょう。

寝る前にも水分補給をしておく
夜中にトイレに行きたくなるという理由から寝る前にお水を飲むことを嫌がる人がいますが、コップ1杯くらいは飲んでおきましょう。
食前30分前にお水を飲むことで代謝がアップする
食事の前にお水を飲むことで早く満腹感を得られることができるということ以外にも、食前にお水を飲んでおくと代謝がアップするとの研究結果もあるそうです。
代謝をアップさせるためには水と酵素が重要になります。
食べ過ぎ防止のためにも、お水は飲んでおいたほうが良さそうですね。
おわりに
僕は職業柄、人に「お水を飲んでくださいね」と伝えることが多いのですが、後日確認するとついつい忘れてしまっている人が多くいます。
脱水状態で身体の中をドロドロ状態にするよりも、お水をこまめに飲んで老廃物を外に出した方が快適に生活ができますよ。
僕自身、お水は意識して飲むようにしています。
僕はお酒が好きでまぁまぁ飲むのですが、お水を飲み忘れた日の次の日は寝起きの時点で身体が乾いている感覚があります。
しかし、お水をしっかり飲んでいた場合だとそのような感覚はなく、普通に起きれます。
脱水状態にならないためにも、生活をより快適にするためにも1時間にコップ1杯くらいのお水は飲みましょう。
1時間にコップ1杯飲むだけで快適に過ごせるとしたら、飲む気になるでしょう。