
訪問(出張)で治療を行う場合、当然ながら治療で使う道具を持って行く必要があります。
治療院で行う場合はストックがあるので「あ、これ使おう」と思ったらすぐに使うことができますが、訪問だと全ての道具をごっそり持って行くわけにはいきません。
自費で出張治療をする場合は美容メニューなども行うかと思うので、そのときは鍼灸道具以外にもオイルや化粧水、タオルなどの様々な道具が必要なためヘアメイクさんが使うようなキャリーケースで出張したりもするでしょう。
しかし医療保険を使った訪問治療の場合、美容メニューは行わないためそこまでの道具は必要ありません。
では、実際どんなものが最低限必要なのでしょうか?
今回はこれから医療保険を使った訪問鍼灸を始めようとしている鍼灸師の方に、僕がいつも訪問で使用している鍼灸道具について、ご紹介したいと思います。
目次
鍼灸道具を入れるケースはビズラックアップがオススメ
僕が訪問鍼灸を始めた頃、持って行く鍼灸道具よりもそれを収納するケースの方が悩みました。
- ポケットはたくさんあった方がいい
- 持ちやすいもの
- リュックに入れやすいサイズ
- 硬くないソフトケース
- 中身が外に出ないもの
- 素材が丈夫
- デザインが良いもの


ビズラックアップの紹介
使い勝手が悪かったり気に入らなかったり何個かケースを買ったのですが、現在はコクヨが作っているビズラックアップというバッグインバッグを使用しています。
それがこちら。
持ち運びしやすいように持ち手がついていて、中身が出ないようにボタンでとめられます。
デザイン的にもいい感じ。
大きさもA4サイズよりもちょっと小さいのでちょうどいい。
中は道具を入れられるスペースが4つもあり、4番のポケットにはファスナーがついています。
後ろにも道具を入れることができます。
ただ、こちらには残念ながらファスナーがついていないので、細々した物を入れるとバラバラになってしまう可能性があるので注意が必要です。
ボタンを外すと前側にも道具を入れられるポケットが4つあります。
そして道具を入れると
こんな感じ。
ポケットもたくさんあるため種類ごとに仕分けしやすいです。
これだけ道具を入れても
パンパンに膨らまず、ボタンも余裕を持ってとめられます。
ビズラックアップを使ってみて
ソフトケースなのであまりにもハードな使い方をすると中身が心配ですが、普通に使う分なら耐久性は問題ないです。
また、防水ではないのですがバッグインバッグなので濡れる心配もないでしょう。
ビズラックアップのサイズは4種類、カラーも4種類から選べますので自分の治療内容に合わせたものが見つかるかと思います。
- A4ヨコ
- A4タテ
- A5
- A6
※A5とA6はヨコタイプとなります。
- ネイビー
- ブラック
- アイスブルー
- ブラウン
詳細はコクヨのHPをご覧ください。

色々と鍼灸道具を入れるケースを試してみましたが、ビズラックアップに落ち着きました。
訪問で使用する鍼灸道具を入れるには大きさもちょうど良く、カバンにも入るので持ち運びしやすいですし、ポケットがたくさんあるため種類ごとに整理できて治療がしやすい。
ごちゃごちゃせずに訪問鍼灸を行いたい方にはオススメです。
訪問で使用する鍼灸道具
鍼灸道具に関しては治療内容にも変わるので先生ごとに違うかと思いますが、ここでは僕が普段使っている鍼灸道具を紹介します。
とは言っても、特別なものは使っていません。
鍼の種類
いつも持って行っている鍼は
こんなもんです。
医療保険での訪問鍼灸を行う場合、1回の治療時間は短いですが週に2〜3回の治療が基本の治療ペースになるかと思います。
そのため刺激が多いと患者さんの負担になりますし、高齢者が対象となる場合が多く、体力的にも負担をかけてしまいます。
なので僕は3番以上の太さは使用しません。
基本的には単刺で行いますが、パルスをかける方や置鍼をする方もいるので複数パックも持って行ってます。
パルスはパルスマを使用しています。価格もそこまで高くなく軽量なため治療院でも使用しているものを持って行っています。
とはいえ、少し大きいのが難点。
もしも余裕があれば、ピコリナの方が持ち運びには便利そうです。ただ、パルスマと比べてピコリナはチャンネル数が2つなので範囲は狭まります。
お灸は台座灸
1回の治療がマッサージ込みで30分〜40分と短いので、お灸を捻って据える時間がありません。
そのため、お灸をしている最中に他の部位の治療ができる台座灸を使用しています。
乾燥しないようにジップロックに乾燥剤を入れて持ち運びます。
また、ジップロックに大量に台座灸を入れてしまうとケースに入りませんし、圧迫されてもぐさの部分が折れてしまい無駄になりますので程々に持ち運びましょう。
使っているのはファロスの富士柔(弱)を使用しています。
この1段階上の熱さの富士柔(中)でもいいのですが、自分に使ってみた感じちょっと熱感が強いのと火傷のリスクを考えて富士柔(弱)を使用しています。
熱感も程よく入るため、いいかなと思います。
訪問で使用するその他の道具
- 血圧計
- 廃鍼入れ
- ティッシュ
- ゴミ袋
- ライター
- 使い捨てシャーレ
- アルコール綿花
- 手ぬぐい
このようなものをいつも持って行っています。
血圧計
腕で測る血圧計の方が正確に測れるみたいなのですが、腕で測るタイプは大きくて持ち運びに不便です。
なので、手首で測定するタイプのものを使用しています。
廃鍼入れ
なんてことはありません、タッパーです。
まれにフタが緩いタッパーがあるので、しっかり閉じるものを使いましょう。
中に鍼がどのくらい入っているのか見やすいため、半透明なものを使用しています。
ただ、患者さんからちょっと見えてしまうため中身が見えないタッパーがあればそちらの方がいいかもしれませんね。
ティッシュ
正直あまり使っていませんが、重いものではないので入れておいていいでしょう。
ゴミ袋
ゴミ袋といってもA4サイズくらいの小さい袋です。

使い終わった鍼管だとか鍼のペリペリだとか、当然ながら治療で出たゴミは持ち帰って自分で処理しましょう。
ライター
ガス切れの可能性もあるため2〜3個は持って行った方がいいでしょう。
安いライターって結構すぐにガス切れします。
あと、長時間着火した状態にするとカチカチする場所が溶けたりして使えなくなるので着火は短めがいいですよ。
使い捨てシャーレ
パルスなどで複数本の鍼を使用する場合に使用します。
しかし以前はよく使用していましたが、今は複数パック入った鍼はうまいことその上で完結できるので使用していません。
厳密に衛生面を考えると、どちらの方が衛生的なのでしょうかね。
アルコール綿花
アルコール綿花は余裕を持って行きましょう。
鍼灸をする前の消毒のほか、出血した場合や自分の手を拭いたりするときもあります。
アルコールなのですぐに乾きますし、衛生的にも1部位拭いたら捨てて新しいものを使用しましょう。
また、治療以外でも活躍する場面があったりします。
僕は自転車で移動しているのですが、患者さんが終わって移動しようとしたらサドルに謎のベタベタがついていたときがあって、アルコール綿花でサッと拭き取った経験があります。
手ぬぐい
持っている資格が鍼灸師だけならマッサージはできませんが、とはいえ少しはするかと思います。
鍼灸をするときは相手の肌に直接触れますが、マッサージをするときは手ぬぐいを使用しましょう。
使用する道具のまとめ
特別なものは持って行っていませんが、1つずつピックアップしてみると案外多くの種類の道具を使用することがわかりますね。
- 道具入れはビズラックアップ
- 鍼は0番〜3番まで
- てい鍼
- ローラー鍼
- 台座灸
- 血圧計(手首式)
- 廃鍼入れ
- ティッシュ
- ゴミ袋
- ライター
- 使い捨てシャーレ
- アルコール綿花
- 手ぬぐい
- パルス(使用するときだけ)
「あれ、ない」ということが無いように、準備はしっかりして行きましょう。
おわりに
今回は僕がいつも使用している道具をご紹介しました。
治療内容によって持ち物は変わるので、これが完璧ではありません。
温灸器だったり棒灸だったり、鍼灸道具は他にも色々あります。
訪問鍼灸をやりながら、自分のスタイルにあった持ち物を発見していってください。
今回ご紹介したものがこれから訪問鍼灸を始める方の参考になれば幸いです。