
エステに行くと本当に様々が機械が置いてありますよね。
シュポシュポと吸引する機械。
ピクピクするEMS。
脂肪を燃やす暖かいやつ。
少なくとも1台は置いてありますよね。
今回はその中でも脂肪を燃焼させるラジオ波について調べてみました。
ラジオ波という名前はよく聞くかと思いますが、ラジオ波とは一体なんなのか、なぜ脂肪を燃焼させると言われているのかご存知ですか?
実はラジオ波が脂肪を燃焼させるわけではなく、脂肪の燃焼を助けるのがラジオ波なんだそうです。
目次
ラジオ波とは電磁波の一種
まずは電磁波の種類について見ていきましょう。
結論から言うと、ラジオ波も数ある電磁波の種類の1つで、その中でも高周波の1種類にラジオ波というものがあります。
電磁波は周波数の違いで種類が分かれる
電磁波というのは「電界」と「磁界」が合わさって流れる「波」のことです。
波の長さによって種類が分かれてくるのですが、この波の長さのことを周波数(Hz)と言います。
周波数が低い(波長が長い)順に電磁界→電波→光線→放射線と分類され、この中から周波数の違いによってさらに細かく分類されていきます。
放射線は電離放射線と非電離放射線に分かれる
電磁波の中でも放射線は2種類に分かれます。
それが電離放射線と非電離放射線です。
電離放射線というのはレントゲンで使われるエックス線や、エックス線よりもエネルギーが強くガンの治療でも使われるガンマ線などがあります。
病院でよく使われている放射線で身体への影響が大きいのが電離放射線です。
非電離放射線は太陽光線と電波に分かれ、日常生活でよく使われているものとなります。
太陽光線はその名の通り紫外線や赤外線などのことです。
電波については、もういたるところで使われていますよね。
光線は紫外線、可視光線、赤外線に分かれる
光線というのは主に太陽の光のことです。
「紫外線」といっても種類があって、UVA、UVB、UVCに分かれます。

ブルーライトもこの可視光線の中に含まれますが、紫外線に近い光線になります。
ブルーライトの波長は日の光に似ているので、夜寝る前にスマホを見ていると寝れなくなると言われているわけです。
熱作用が大きく、熱線とも言われるのが「赤外線」です。
赤外線も近赤外線、中赤外線、遠赤外線に分かれます。
電波は9種類もある
放射線、光線の種類についてお話してきましたが、いかがでしょうか。
たくさんありますよね。
そして電波はなんと9種類もあるのです。

電波は周波数、電波の伝わり方、送れる情報量によって分けられます。
ザッと書いてみます。
- 超長波・・潜水艦の通信など
- 長波・・電子タグなど
- 中波・・AMラジオなど
- 短波・・トランシーバーなど
- 超短波・・FMラジオなど
- 極超短波・・携帯電話など
- マイクロ波・・無線LANなど
- ミリ波・・プラズマ診断など
- サブミリ波・・電波望遠鏡など
低周波と高周波の違いとは
低周波とは長波や超長波などの電波で、主にコンセントに繋いで使う電化製品で使われています。
よく肩こり、腰痛で使う電気もこの低周波です。
ちなみに、鍼治療でも通電させることがありますが周波数による効果の違いについて「スポーツ鍼灸の実際」という本には以下のように書かれています。
筋の緊張緩和を目的にするときには1〜3Hz、腱付着部炎などでは30〜50Hz、疼痛が限局している関節部などでは100Hzを目安に設定する。
このように治療の現場では、その目的によって周波数を変えて使用します。
高周波とはその名の通り周波数が高い電波で、極超短波やマイクロ波が高周波にあたります。
今回のテーマでもあるラジオ波というのも、この高周波に分類されます。
電磁波の分類まとめ
さて、長々と電磁波の分類についてお話してきましたが、冒頭でもお話した通り、ラジオ波は高周波の1種類です。
まとめるとこんな感じです。
まだまだ分類されるのですが、書ききれないので簡易的な図でご了承ください。
ラジオ波で脂肪が燃える理由
やっと今回のメインであるラジオ波についてのお話になります。
痩身だけでなく治療の現場でも使われているラジオ波ですが、その原理は何なのでしょうか。
どうやらラジオ波によって脂肪が燃焼するのではなく、「ラジオ波が脂肪燃焼を手助けする」という言い方が正しいみたいです。
ラジオ波でジュール熱を発生させる
電子レンジと同様に、RF(ラジオ波)は周波数という波を持ちます。この波の振動が体内に含まれる分子を振動させ、分子同士が擦れることによって摩擦熱を発生させるのです。
ラジオ波を肌に当てるとすごく細かい振動が体内に入り、ジュール熱(深部熱)という熱を発生させます。
どうやら、この熱が脂肪燃焼に一役買っているそうです。
ジュール熱が脂肪分解を促進する
脂肪細胞を加熱することで脂肪細胞の代謝を高め、脂肪の分解を促進し、細胞のサイズを小さくして、循環機能(毛細血管、リンパ)を改善し、セルライトの長期的な改善を行います。
このジュール熱によって脂肪の代謝が高まるので、ラジオ波を当てるとスッキリするわけですね。
温めればいいのか、と言ってもホットパックなどで身体の表面を温めても余分な脂肪は分解されません。
ラジオ波が脂肪燃焼に良いとされるのは、ジュール熱によって体内をしっかり温めるので脂肪の分解が促進されるのです。
また、ジュール熱により体内が温まると循環機能も改善されるため、冷えなどの改善にも期待できそうですね。
ラジオ波は出力によっても効果が違ってくる
ラジオ波といっても、流れ方や出力によって効果が変わってきます。
ラジオ波の代表的な形式には
- モノポーラ
- バイポーラ
- マルチポーラ
この3つがあります。
1つずつ見ていきましょう。
モノポーラ式
モノポーラ式は1つの電極から下にひいた電極板にラジオ波が流れるタイプのものです。
ジュール熱を発生させることで脂肪燃焼効果や老廃物の排出促進が期待でき、身体をスリムにさせたりデトックスが主な目的となります。
バイポーラ式
バイポーラ式は2つの電極の間にラジオ波を流すものです。
2つの電極の間にラジオ波を流すと、コラーゲンの再生を促したりエラスチンの生成を促したりします。
主に肌を美しくすることが目的となります。
マルチポーラ式
浅い部分と深い部分、両方にアプローチすることができるのがマルチポーラ式です。
モノポーラ式とバイポーラ式が合わさったような感じで、両方の効果が期待できます。
ラジオ波は痛くない
「ラジオ波は電子レンジと同じ原理」なんて表現をよくされていますが、そんなものを身体に当てても大丈夫なのでしょうか。
僕は以前、ビューティーワールドジャパンというイベントにてラジオ波を初体験したのですが、熱いとか痛いという感覚はなく、むしろラジオ波を流している部分がじんわりと温かくなってきて気持ちよかったです。
しかも、ラジオ波を流し終わった後もしばらく温かさの余韻が残っているんです。
腕に施術をしてもらったのですが、内部が温まる効果も重なって筋肉がしっかりとほぐれていたのでエステだけではなく、治療の現場でも使われる理由がわかりました。

ラジオ波は火傷や金属アレルギーのリスクがある
なんでもそうだとは思いますが、ラジオ波もリスクがないわけではありません。
出力レベルや使用方法を間違えると火傷する可能性があります。
しかし、どうやら火傷が起こるのは機械のせいではなく施術者の技術力、知識不足が原因だと言われています。
また、ラジオ波の電極板などで金属アレルギーが出る可能性もあります。
もともとアレルギーをお持ちの方はしっかりと相談してから受けた方がいいでしょう。
治療の現場でも使われるラジオ波
ラジオ波というとエステなど美容の分野で使われているイメージが強いかと思いますが、実際は治療の現場でも多く使われています。
日本でもラジオ波を使った機器(ウィンバックなど)が接骨院や鍼灸院で使用されている院もあり、コンディショニングでも活用されています。
身体を深部から温められるラジオ波は脂肪の分解を促進させるだけではなく、筋膜の癒着を解消する効果も期待できるため、四十肩などにも使用されています。
僕は鍼灸師ですが、ラジオ波で鍼灸と同じような筋肉へのアプローチができたら患者さんの選択肢が増えるためいいなと思っています。
鍼灸を受けて欲しいのはあります。
しかし、鍼灸というのは一つの手段でしかありません。
もしも、怖いなどの理由から鍼灸を受けたくない患者さんがいた場合にマッサージ以外の施術方法があるととても助かります。
ラジオ波で期待できる効果まとめ

- 痩身効果
- 冷えの改善
- むくみの改善
- 筋肉を緩める
- 動作時の痛みを和らげる
美容の印象が強いラジオ波ですが、医療現場でも使われていたんですね。
おわりに
ラジオ波について調べてみると色々な情報が出てきますが、使用方法さえ守れば安全だと言えそうです。
最初はどんなものか分かっていなかったので怖さがありましたが、ウィンバックでラジオ波を体験したときは気持ちよさに驚きました。


ラジオ波が気になっているあなたも是非、体験してみてください。
この記事を書く上で参考にした「痩身を科学する」という本には、ダイエットについての栄養学や医学的知識、活性酸素について書かれています。生理学が入ってくるのでやや難しいですが、ダイエットについてしっかりと知りたい方にはオススメの本です。