
「最近何かが込み上げてくるような感じがあるし、もしかしたら逆流性食道炎かも」
そう思って病院に検査に行くと、炎症はないけど逆流性食道炎と言われた。
はて、炎症が起きていないのに逆流性食道炎?
実は、逆流性食道炎というのは患者さんに対して使う言葉であって、お医者さんの間では使われていない言葉なのです。

では、逆流性食道炎とは実際、どのような病気なのでしょうか。
目次
逆流性食道炎は胃食道逆流症(GERD)の一つだった
胃食道逆流症という言葉は聞いたことはありますか?胃食道逆流症というのはその名の通り、胃の中のものが逆流して食道に出てきてしまい、様々な症状を引き起こす病気の総称です。
GERD(ガード)なんて呼んだりします。実は、逆流性食道炎というのは胃食道逆流症の1つのことを指す言葉だったのです。
胃食道逆流症(GERD)の分類
胃食道逆流症は2つのタイプに分かれます。
- 炎症があるびらん性GERD
- 炎症がない非びらん性GERD
炎症があるかないかによって分かれています。
炎症がある「びらん性GERD」
びらん性GERDというのは胃液が食道まで上がってきて、食道が炎症を起こしている状態のことです。
ちなみに「びらん」というのは簡単に言うと、ただれのことを言います。
自覚症状がなくても炎症が起きているならびらん性GERDということになります。
炎症がない「非びらん性GERD」
検査をしても炎症がないのに胸焼けや呑酸(何かが上がってくる感じ)といった症状だけがある胃食道逆流症を非びらん性GERDと言います。

炎症はないのですが、患者さんに分かりやすくいうために逆流性食道炎と伝えることがあるそうです。
正確には炎症がないので逆流性食道炎ではありません。
ストレスも原因の1つになる胸焼け
非びらん性GERD(NERD)では炎症はないけど胸焼けなどの症状はあるという状態でした。
つまり、少なからず逆流はある状態ということです。
しかし、逆流もないのに胸焼けが起こる場合があります。
そのような胸焼けのことを機能性胸焼けと言います。
NERDでは胸焼けの出現に胃食道逆流が関係しているのが大前提である。しかし、NERDの原因として30%は胃酸逆流が関係していると考えられるが、残りの70%では胃酸以外の逆流、精神神経的な因子・食道運動機能異常など胃食道逆流とは関係ない原因で胸焼けが起きているものも含まれる。
機能性胸焼けはNERDとは区別されていて、その原因は不眠やストレスといった心因的なものが原因と言われています。

僕の場合はそのときだけなのですが、この状態が慢性化してしまうのは本当にQOL(生活の質)に影響を与えると思います。
まとめ
まとめてみると
こんな感じでしょうか。
びらん性GERDは症状がない場合もありますが、食道裂孔ヘルニアを合併する場合が多いそうです。
そうならないためにも生活習慣は見直していきたいですよね。
胃食道逆流症(GERD)にならないために
加齢による筋肉の衰えも胃食道逆流症になる原因となりますが、生活習慣も大きく関わってきます。
食べ物や姿勢に気をつける
アルコールやコーヒー、炭酸飲料などの飲み物や高脂肪食や香辛料などの食べ物が原因と言われています。
タバコも下部食道括約筋(胃液の逆流を防ぐところ)の圧を弱くしてしまうため禁煙した方がいいでしょう。
食べ過ぎや早食いが良くないことは言うまでもありませんね。
また、姿勢も胃食道逆流症に関わってきます。
猫背の姿勢などでお腹が丸まった状態だと腹圧が上がってしまい、逆流の原因になってしまいます。
特にデスクワークの方はどうしても猫背の姿勢になりやすいので、こまめに休憩を挟んで背伸びをし腹圧を常に上げないように気をつけましょう。
他の病気が原因になることも
糖尿病や高血圧なども胃食道逆流症を起こす原因となる可能性があります。
また、肥満も腹圧をあげてしまうことから胃食道逆流症のリスクを上げると言われています。
これらの病気も日々の生活で防げる可能性が大いにありますので、まずは生活習慣を見直すことが大切だと言えますね。
おわりに
胃食道逆流症は近年、増加傾向にあると言われています。
若いからといって暴飲暴食を続けていたらそのうち胃食道逆流症になってしまう可能性も。
そうならないためにも一度自分の生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
また、胸焼けや呑酸など、何か不快な症状が続いているようでしたら悪化しないうちにお医者さんに相談してくださいね。