
更年期障害と言えど「私、別につらくないんだけど」という方もいます。
よく更年期と障害という言葉をくっつけて、あたかも更年期には障害が起こるものという風な言い方をよく見かけますが、つらくない人もいます。
今回は更年期障害の定義と、更年期症状について考えていこうと思います。
更年期は10年間
そもそも更年期ってどのくらいの期間のことを表すのかご存知でしょうか?
10年という期間を考えると、症状がほとんどない方はまだいいのですが、症状が重く出ている方にとっては何も対処せず、誰にも相談しないというのはちょっと良くない選択肢ですね。

「閉経」とは、卵巣の活動性が次第に消失し、ついに月経が永久に停止した状態をいいます。月経が来ない状態が12ヶ月以上続いた時に、1年間を振り返って閉経としています。
このように、無月経の状態が1年以上続くと閉経となります。
10年間の更年期と呼ばれる期間に
- 加齢による身体的変化
- 仕事や人間関係などの環境変化
- 女性ホルモン低下による変化
このような様々な変化が訪れるのが更年期という期間です。
身体が変化する以外にも仕事をしているなら責任者になっている可能性が高い年齢ですし、子供がいる場合は子供が成人して1人立ちする時期かと思います。
女性のライフステージの中でも変化が盛りだくさんの時期が更年期です。
更年期障害と更年期症状
更年期に入った女性が全て更年期障害になるわけではありません。
更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。

他の病気とは
更年期は様々な症状が出現します。
その症状全てが更年期によって身体が変化することが原因の場合もあるし、更年期ではなく他の病気が原因となっている場合もあります。
- 気分障害・・抑うつ気分など
- 統合失調症・・幻覚、妄想など
- 不安障害・・強迫性障害、パニックなど
- 自律神経失調症
- 甲状腺機能亢進症・甲状腺機能亢進症
- 高血圧症
- 肝機能・腎機能・心機能障害
- 機能性頭痛
これらの病気の他にもメニエール病や腰痛症などの様々な病気との鑑別が必要になります。

とはいえ、全ての症状をしらみつぶしに検査していったらキリがありませんし、処方される薬もどんどん増えてきてしまいます。
更年期障害を取り扱っている病院ではその症状が本当に更年期から来るものなのか鑑別してくれますし、しばらく治療をし様子を見て、変化がないようなら更年期障害以外の病気を疑います。
日常生活に支障があるかどうか
「更年期障害」となるかは、日常生活に支障があるのかないのかで分かれます。
更年期=障害というイメージを持っている方も多いかと思いますが、必ずしも全ての人に当てはまる言葉ではありません。
まれに「更年期は怖い」と恐怖を煽るような広告がありますが、そのような広告は症状を増悪させてしまう可能性もあるのではないでしょうか。
僕自身、性別が男なため女性と同じ更年期を体験できるかと言ったら体験できないでしょう。
しかし、更年期について調べれば調べるほど、勉強すればするほど怖がる必要がないものだとわかります。
更年期=障害というイメージをなくすためにも、更年期に入るもっと前の段階から「全ての更年期が障害となるわけではない」ということを知っておくと良いかと思います。
更年期症状はたくさんある
更年期に起こる症状は本当にたくさんあります。
その中の一部をご紹介します。
このように、更年期に起こる症状には様々な種類があります。
しかも、どれか1つだけの症状が出るわけではなく、複合して出る場合もあります。
複合して症状が出るため、原因を突き止めようとたくさんの病院を受診される方がいますが、実は婦人科でホルモン補充療法をするだけで身体や精神が楽になった、ということも起こるのです。

症状が出ない可能性もあるし、どれか1つだけの場合、複合する場合など症状の出方には個人差が大きくあります。
おわりに
一概に更年期といっても全てが障害にならない、ということをご理解いただけたでしょうか。
もしもあなたが日常生活に支障が出ている場合は更年期を取り扱っている病院へ相談しに行きましょう。
日常生活に支障というのは「最近ちょっと仕事に集中できなくなった」などのちょっとしたレベルでも相談しに行って良いと思います。
まずは独りで抱え込まないことが大切です。
あまり無理をなさらずに、自分の身体と向き合っていってくださいね。