
女性の健康において、閉経前から老年期にかけて治療対象となるものの中に更年期障害があります。
- 更年期障害
- 骨粗鬆症
- 動脈硬化
- 尿失禁
- 性交痛
- 動脈硬化
- 痴呆予防
では、更年期障害と診断されるにはどのような基準があるのかご存知でしょうか?
今回は更年期障害の診断基準について調べていこうと思います。
目次
更年期障害の診断基準

- 卵巣機能の低下、停止
- 器質的疾患の除外
- 45歳〜55歳
- ホルモン低下によって起こる症状がある
- 日常生活に支障がある
加齢によって卵巣機能は低下していくのですが、それでも更年期にホットフラッシュや頭痛などの更年期症状が出ない方も存在します。
ポイントは日常生活に支障があるかどうか。
そのような場合は更年期障害と診断され、治療が行われます。
また、どのような症状が強く出ているかを見るために、SMI(簡略更年期指数)と呼ばれるチェックシートをつけたりもします。
卵巣機能の低下
加齢によってだいたい36歳あたりから卵巣機能は低下していき、45歳あたり(更年期)でガクッと低下します。

そして、更年期障害の診断基準ともなるのがE2(エストラジオール)とFSH(卵胞刺激ホルモン)の上昇です。
E2(エストラジオール)
E2(エストラジオール)というのはエストロゲンの1種で、エストロゲンというのは女性ホルモンの1種です。エストロゲンは身体の中で色々な役割を担っています。
- 卵胞発育
- 卵管の運動促進
- 子宮内膜増殖
- 脳血流量促進
- 肌のハリを保つ
- 骨量減少を防ぐ
- 悪玉(LDL)コレステロールを下げる

更年期に入るとこれらの働きを持つE2(エストラジオール)が低下します。
FSH(卵胞刺激ホルモン)
FSH(卵胞刺激ホルモン)はエストロゲンの分泌を促進させるホルモンです。更年期に入るとエストロゲンの分泌が低下していきます。
そうすると身体はエストロゲンを分泌させようとFSH(卵胞刺激ホルモン)をどんどん分泌するようになり、FSH(卵胞刺激ホルモン)の値が高くなっていきます。
エストロゲン低下によって様々な症状が出現する
エストロゲンには骨量減少を防いだり中枢神経機能の調節、悪玉(LDL)コレステロールを低下させたりと、身体において色々な役割があります。
身体の中で色々な役割を担っているエストロゲンが低下していくわけです。
様々な身体の不調が起こるわけですね。
器質的疾患の除外
器質的疾患とは組織そのものが変形や破壊など、異常をきたしてしまうような病気のことを言います。更年期障害と診断する場合、器質的疾患がないかを確認します。
もしも器質的疾患があった場合はその影響によって症状が出現している可能性もあるため、まずは器質的疾患がないかどうかを確認します。
日常生活で支障があるかどうか
更年期に入った女性が全て更年期障害となるわけではありません。
日常生活に支障がある場合のみ更年期障害と定義され、日常生活に支障が出るほどではないけど症状は少し出ている場合を更年期症状と言います。
更年期に入り、閉経を迎えるとE2(エストラジオール)の低下、FSH(卵胞刺激ホルモン)の上昇は起こるため、更年期障害とまではいかなくてもホルモン補充療法や漢方などで治療をする方もいます。
更年期障害の定義
更年期に起こる症状は人それぞれ様々なものがあり、頭痛だけ起こる人もいれば様々な症状が複合して起こる人もいます。
日本産科婦人科学会ではこのように定義されています。
更年期に現れる多種多様の症候群で、器質的変化に相応しない自律神経失調症を中心とした不定愁訴を主訴とする症候群である。
日本産科婦人科学会編 産婦人科用語解説集

更年期障害では診断のときに器質的疾患を除外するため、不定愁訴が症状になります。
また、不定愁訴が起こる原因としてホルモンバランスの変化以外にもその人の性格、仕事や対人関係などの環境要因も影響しています。
おわりに
では、最後にもう一度、更年期障害の診断基準についておさらいしておきましょう。
- 卵巣機能の低下、停止
- 器質的疾患の除外
- 45歳〜55歳
- ホルモン低下によって起こる症状がある
- 日常生活に支障がある
更年期に近い年齢の方で器質的疾患がなく、最近調子が悪いなどの不調が出てきたら婦人科に相談してみてもいいかもしれませんね。
早めの段階からケアすることによって、今までよりも身体や気分の調子が良くなる可能性もあります。
まずは、相談してみるところからスタートです。