
今回は最近メディアでもよくピックアップされています美容鍼についてです。
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- 美容鍼ってどんな効果があるの?
- お顔に鍼をするとなぜリフトアップやシワが消えたりするの?
- お顔に鍼なんて、痛そうだわぁ・・・
- 血は出ないのかしら?
- 美容整形していてもやって大丈夫かしら・・・
- どのくらい通えばいいの?
こんな感じの「美容鍼ってなに?」に答えていきます。
なかなかなボリュームになってしまったので、効果についてはこれだけ目を通してもらえば大丈夫です。
- 筋肉までアプローチできる
- フェイスラインがシュッとする
- 目がパッチリ開く
- 口角が上がる
- シワが薄くなる
- クマ、くすみがなくなり血色が良くなる
- ニキビの改善
- 肌がモチモチする
- 化粧水などの浸透度アップ
- キメが細かくなる
- メイクのノリが良くなる
- 鍼は細くて痛くない
- 内出血のリスクは0ではない
- 受ける頻度は最初は週1で
- 状態が良くなれば月1で
- やるならボトックスなどをする前に
それぞれの詳しい説明については記事をご覧いただければと思います。
目次
皮膚の主な働きとは
「皮膚」といっても1枚ペローンとただついているわけではなくて、外部の刺激やバイ菌から身体を守るためにはとても大切な臓器なのです。
- 外部からの刺激やバイ菌から身体を守る
- 汗や皮脂から余分なものを排出する
- 体温を調節する
- 感覚機能
- 水分がなくなるのを防ぐ
- 見た目を美しくする
などなど、皮膚にはたくさんの働きが備わっています。
皮膚の構造
皮膚は大きく3層構造になっています。
皮膚の働きからして、1層だけではちょっと防御力低いですもんね。
こんな感じです。
まずは大きく「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層に分かれていて、そこからまた角質層などに枝分かれします。
表皮
厚さ0.2㎜の極薄バリア。
外部からの異物から身体を守るほか、身体の水分が蒸発するのを防ぐ役割もあります。
また、この部分には血管は通っていません。
真皮
表皮の10倍、2㎜の厚さがあり、お肌のメインとなる部分が真皮です。
毛細血管や神経、汗腺、皮脂腺、毛包(毛の根っこ)が集まっていて表皮に栄養を送ったり、お肌を支えたりしています。
「コラーゲン」「エラスチン」といった線維状のタンパク質の間に「ヒアルロン酸」が水分を蓄えながら存在していてお肌に弾力を与えています。
お肌をキレイに保つには真皮の状態が良いかがキーとなってきますね。
皮下組織
表皮と真皮を支える部分で、外部からの衝撃を緩和したり断熱作用もあるので体温を一定に維持する役割もあります。
体型をスリムに見せるためにはこの部分の厚みを極力減らしたいのですが、もしも冷たい海とかに放り出されたりなんかしたら皮下組織が分厚い方が生存の可能性は上がります。

ターンオーバーとは
お肌をキレイに保つために必要な仕組みがターンオーバーです。
ターンオーバーとはお肌の新陳代謝のこと。
- 基底細胞層で新しい表皮細胞が誕生する
- 約14日かけて段々と押し上げられ角質細胞になる
- さらに約14日経つと垢となって表皮から剥がれ落ちる
このターンオーバー、遅くても早くてもお肌にとってはよろしくないようです。
ターンオーバーが早い
アトピーや敏感肌だったり過度の洗顔なんかしているとターンオーバーが早まってしまいます。
ターンオーバーが早いと細胞が未熟なまま表面に押し上げられてきてしまうので、水分を保持することができずに乾燥してしまうのです。
洗顔後に化粧水つけずに放置するとお肌が砂漠化しますよね。
洗顔後にしっかりと化粧水をし、乳液などでフタをしてあげることで正常に戻すことができます。
特に男性の方、化粧水だけでお手入れを終えていませんか?
それだけだと水分はどんどん失われていってしまい、カサカサ肌になってしまいますよ。
また、乾燥しないように脂も多く分泌されるようになってしまいます。
シワを増やさないためにも面倒くさがらず、しっかりとお手入れをしてあげましょう。

ターンオーバーが遅い
年齢を重ねるとターンオーバーの速度はどうしても遅くなります。
ターンオーバーが遅くなると傷の治りが遅くなったり古い角質が残ってしまうため毛穴が詰まってしまったりシワの原因となってしまいます。
とはいっても、洗顔やクレンジングをしている時点でターンオーバーは早くなっているのですがね・・・
ターンオーバーが乱れる原因
過度な洗顔や加齢だけではなく様々な原因からターンオーバーのサイクルは乱れてしまいます。
- 食生活の乱れ
- 過度の飲酒
- 喫煙
- 睡眠不足
- 運動不足
- ストレス
- 血行不良
キリがなさそうですね・・・
いくら良い洗顔フォームや美容液を使ったところで元となる身体の状態が悪いとターンオーバーのサイクルが乱れてしまい、お肌をキレイに保つのが難しくなってしまいます。
せっかくの美容成分もしっかり吸収してくれませんしね。
ストレスから暴飲暴食してしまったり、疲れてメイクを落とさず寝てしまったり、運動から遠ざかっていたり。
外から入れるもの(化粧水とかクリームとか)ばかり考えるのではなく、まずは生活を見直してみましょう。
美容医療について
整形に限らず今ではお手軽に美容医療が受けられるように種類も豊富になってきましたね。
手軽にキレイになれるのはありがたいことです。
では、基本的な美容法は皮膚の構造から見て、どこまでアプローチすることができるのでしょうか。
それぞれの美容法の届く深さ
さっそく画像から見てみましょう。
こんな感じ。
化粧水やエステはお肌の表面上へのアプローチしかできません。
エステの場合はマッサージもあるので筋肉を緩める効果はありますが、成分が浸透するのは表面までです。
しっかりと根元の筋肉からアプローチするためには外科手術かボトックスしかありません。
外科手術は高額だし、ボトックスかなぁなんて思っている方に朗報です。
そうです。
美容鍼。
外科手術やボトックスと同じ深さまでアプローチすることができるのです。
しかも薬品を使ったりせずに本来自分が持っているキレイな部分を引き出すことができるのが美容鍼。
ただし、ボトックスのように何かを注入したり糸を入れたり、外科的処置をするわけではないので1回で劇的な効果を期待することはできません。
ガラっと1回で見た目を変えたい場合はお医者さんに相談してみましょう。
美容鍼の効果について
では、今度は美容鍼の効果についてみていきましょう。
筋肉を緩める
筋肉はずーっと緊張した状態が続くと血流が悪くなり、酸素が不足してカチカチに固まってきます。
筋肉が固くなると血管や神経を圧迫することになるので、鈍い痛みが発生したり、さらに血流が悪くなって余計にガチガチに固くなってしまいます。
こうなるともう負のサイクル突入です。
そのサイクルを断ち切るための手段の一つとして、「鍼」があります。
身体にとって鍼は「異物」です。
身体は異物が入ってくると、「これはいけない、侵入者だ」って感じで血液がバーっと集合してちょっとした炎症反応を起こします。

「軸索反射」
神経末端に生じた興奮が神経の分岐に沿って逆行性に伝播する現象。鍼刺激によりポリモーダル受容器が興奮すると、軸索反射によって受容器末端から神経伝達物質が放出され、コリン作動性神経の末梢血管に働いて血管拡張(フレア)、膨疹(浮腫)が生じる。
「国試黒本/鍼灸あマ指師編・下巻」

まぁでも、この反応がキモです。
血管が広がって血流が良くなることによってカチカチに固まった筋肉に酸素が運ばれていきます。
今まで酸素不足で固まっていた筋肉に酸素が運ばれるとどうなるでしょう。
筋肉、緩みます。
また、固くなった筋肉には「ATP」というエネルギーが不足しています。
血流が良くなると、このATPも筋肉に流れ込みます。
するとどうなるか。
筋肉、緩むんです。
要するにですね、鍼を筋肉に刺すと緩むんですね。
- 筋肉に鍼を刺す
- 軸索反射が起こる
- 血管が広がる
- 筋肉に酸素とATPが入る
- 筋肉が緩む
- コリとれる
ちょっとここで、お顔の筋肉について補足をしておきます。
表情筋について
効果を説明する前にお顔の筋肉表情筋についてです。
身体の筋肉は骨から骨についているのですが表情筋についてはお顔の皮膚についています。(皮筋って言います)
骨から骨についている身体の筋肉はシーソーの関係にあたる拮抗筋というものが存在するのですが皮膚についている表情筋ではそれがありません。(多少はあるかも・・・)
肘を曲げるとき、力こぶになる上腕二頭筋という筋肉は収縮して肘を曲げます。逆に力こぶならない反対側の二の腕の筋肉(上腕三頭筋)は伸びています。これが拮抗筋と呼ばれる関係です。
また、身体の筋肉には筋肉の長さを感知する筋紡錘というセンサーがあるのですが表情筋にはそれがありません。
この拮抗筋と筋紡錘がないということは、表情筋は収縮が優位な筋肉で身体の筋肉よりも緩みにくいのかなと僕は考えています。
このことから、収縮傾向なお顔の筋肉を緩ませるために鍼は有効なのではと思っています。
さて、お待たせいたしました、効果についてみていきましょう。
- フェイスラインがスッキリして小顔になる
- 首元がスッキリ、シャープになる
- 眼精疲労がとれる
- 目がパッチリ開く
- シワが薄くなる
- 口角が上がる
- 全体的に表情が明るくなる
フェイスラインがシャープになる
お仕事や人間関係、生きているとストレスがかかりますよね。
人間はストレスがかかるといつの間にかグッと噛みしめる癖がついていることがあります。
噛むときに使う筋肉のことを咬筋というのですが、ここがずっと緊張した状態で固くなってくるとエラが張ってきてしまいます。
また、この咬筋が張るのと同時に首の前側にも力が入ってしまって胸鎖乳突筋という首の筋肉も張ってきます。
この「咬筋」と「胸鎖乳突筋」が緩むとフェイスラインがスッキリ、シャープになります。

目がパッチリする
パソコンやスマホ、テレビや蛍光灯、毎日毎日僕たちは強い光を目にしています。
特にスマホは気づいたら長時間ポチポチいじくってしまいますよね。
現代人は皆さん、目がお疲れです。
ブルーライトなどの強い光を見続けると、目の周りの眼輪筋、眉間にシワをよせる皺眉筋、おでこを覆っている前頭筋が固くなってきてしまいます。
ここが固くなってくると眼精疲労だけでなく眉間にシワができたり、おでこに横ジワができてしまったりします。
鍼でこの部分の筋肉を緩ませることによって眼精疲労やシワの解消だけではなく、固く縮こまってしまった筋肉が緩み目の開きをパッチリさせることができます。

口角が上がる
ストレスで噛みしめることが多かったり、考え事をしていてムスーっとした表情をしていると口角って下がりますよね。
ムスーっとしていたり、笑うことが少なかったりすると大・小頬骨筋や上唇挙筋などが衰えてきてしまいます。
また、ゴルゴラインやマリオネットライン、ほうれい線なんかのシワも深くなります。
この部分に刺激を与えてあげると口角がニーッと引き上がって見えるようになります。
また、深くなってしまったシワも薄くしていくことができますよ。

筋肉が緩む効果をまとめると
- フェイスラインがスッキリして小顔になる
- 首元がスッキリ、シャープになる
- 眼精疲労がとれる
- 目がパッチリ開く
- シワが薄くなる
- 口角が上がる
- 全体的に表情が明るくなる
といった感じでたくさんありますね。
血流が促進される
筋肉が緩むことでも血流が良くなりますが、鍼を刺すことで「軸索反射」が起こり血流は更に促進されます。
クマやくすみの改善
血流が良くなると老廃物をウォッシュアウトしたりターンオーバーを促して目の下のクマやくすみの解消につながります。
クマやくすみは、お肌そのものが原因ではなく、いわば瘀血の状態。
「瘀血」
一般に血液の運行が円滑でない状態、あるいは経脈から溢れたまま消散しない血液を瘀血という。瘀血は病理産物の1つであり、発病素因の1つでもある。
東洋医学ポケット用語集
つまり、冷えや栄養不足、ストレスなんかで血流が悪くなり古くなった血液が滞ってしまった状態のこと。
鍼をして血流が良くなると、この瘀血も解消することができてクマやくすみで暗くなっていたお顔が明るくなります。
また、お顔や頭にはツボがたくさん存在しているため、お顔にする美容鍼で身体の状態も良くなったりする可能性もあります。
ニキビの改善
ニキビはホルモンバランスの変化やストレス、睡眠不足、乾燥肌なんかで皮脂が過剰に分泌されて毛穴が詰まり炎症を起こした状態です。
人々を落ち込ませる、プツッとできる憎いやつ。
僕も中学高校時代はウルトラできていたので、友達から結構いじられて随分と悩まされましたよ。
そんな憎たらしいニキビですが、種類によっては鍼での改善が期待できるんです。
- 初期段階の「白ニキビ」
- 皮脂が空気に触れて黒くなった「黒ニキビ」
- アクネ菌が増殖し炎症した「赤ニキビ」
- 赤ニキビが膿んでしまった「黄ニキビ」
- 膿だけでなく血も溜まった「紫ニキビ」
この中で「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」に対しては鍼での効果が期待できます。
なぜかというと、血流が良くなるとターンオーバーが促され、老廃物がウォッシュアウトされやすくなり炎症が治まっていくためです。
「赤ニキビ」の場合だと、鍼をした直後に赤みが引いていたりします。
大人だけでなく、思春期の方にも美容鍼は効果的と言えますね。
- クマやくすみの改善
- ニキビの改善
- 顔色がワントーン明るくなる
弾力アップ
先っぽが丸くなっていたり鍼が細くなったりと鍼自体、進歩していますがそうはいっても鍼は鍼です。
細胞を傷つけることには変わりありません。
でも、この細胞を傷つけて修復される過程がまたお肌にとっていい効果をもたらすのです。
そこで登場するのがコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸。
お肌の真皮層を構成するコラーゲンとエラスチン、ヒアルロン酸。
エラスチンがコラーゲンを束ねて構成され、その隙間をヒアルロン酸が埋めているのですが、年齢とともにこれらは減少してしまいます。
ですが、鍼で細胞に小さな傷を与えてあげるとその細胞を修復していく過程でコラーゲンとエラスチン、ヒアルロン酸が生成され、お肌の弾力が戻ってきます。
その細胞というのが線維芽細胞と呼ばれるものです。
この線維芽細胞が働いてくれるとコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生成してくれます。
線維芽細胞を鍼でツンツンして、起こしてあげるイメージと思ってください。

浸透度アップ
鍼で細胞が傷つけられるとその傷を修復しようと細胞たちが活性化します。
その状態でトリートメントや化粧水を入れてあげると抜群に浸透度が良くなります。
僕も以前、鍼をしてもらった後にフェイシャルトリートメントもしてもらいましたがお顔のしっとりツルツル感がすごかったです。
美容鍼単体でも効果はありますが、その後にさらにケアをしてあげると完璧です。
メイクノリが良くなる
以前、美容鍼をしたお客さんからその後「メイクのノリが良い感じです」という嬉しいお言葉をいただいたことがあります。
お肌には溝となる皮溝という部分と盛り上がった皮丘という部分があるのですが、この皮溝と皮丘が小さくて均一に並び、形が整っている状態が「キメが細かい」という状態です。
美容鍼はお肌のターンオーバーを整えて本来の良い状態に戻す力があるので、キメも整い、メイクのノリも良くなるわけですね。
美容鍼で使用する鍼
ここまで美容鍼の効果を説明してきましたが、お顔に鍼をするわけです。
身体にするよりも恐怖感があるかと思います。
では、実際にどんな鍼を使用するのでしょうか。
安心の衛生面
美容鍼に限らず、現在使われている鍼はディスポーサブル(使い捨て)になりますので一本一本個装されていて、エチレンオキサイドガスで滅菌されています。
実際、こんな感じ
ちなみに透明の筒状のものは「鍼管」といって、刺すときのチクっと感を軽減したりします。
鍼をする側としても、鍼管があると格段に刺しやすくなります。
鍼の長さ、太さ
注射のような太い鍼のイメージを持っている方も多いですが、そんな太くありません。
- 注射針・・0.4〜1.6㎜
- 画鋲・・0.85㎜
- 髪の毛・・0.05〜0.15㎜
- 蚊の口・・0.03㎜
さてさて、美容鍼で使用する鍼はどのくらい太いのでしょうか。
まぁまぁ、こんなもんなのです。
「全く痛くない、痛みゼロ」
なんてことは正直、言いません。
刺し方や場所によっては少しだけチクっとすることはあります。
でも、「少しだけ」です。
初めて鍼を受けられる方で、「怖いけどやってみる」という方でも終わった後に「こんなもんか、全然大丈夫だった」と言われる方が大半です。
僕自身、正直いって鍼を受けるのは苦手ですがそれでも週に1回は自分で顔に鍼をしています。
大丈夫です。
電気を流す美容鍼
鍼は刺すだけでも上記した通り効果はあります。
しかし、弱い電気を流すことでさらに筋肉に刺激を与え、ワンランク上の血流促進や細胞の活性化が期待できます。
また、固まった筋肉を緩めるだけではなく衰えてしまった筋肉を鍛えてあげることができます。
そうすることで、よりお顔を引き締めることができるんですね。
電気が強すぎると、過度に筋肉が動いてしまい逆にシワの形成を助長してしまう可能性があると考えます。あくまでも、少しだけ感じる程度の微弱電流がベストかと。長時間の電気刺激も避けたほうがいいでしょう。また、顔面神経麻痺の方やその既往がある方は症状が悪化する可能性があるので電気を流しての美容鍼はやめましょう。
この部分に関して疑問が上がったので補足します。
まず、「電気が強すぎる」という表現ですが、具体的にどのくらいという数値が良くないのかということが明確でないのが現状です。
過度に筋肉が動くといっても、どのくらいからが「過度」なのか、それぞれ意見は分かれると思います。
僕の考えですと、思いっきり筋肉が収縮してしまうような強刺激が続いたら、そりゃシワもできるでしょうということ。
鍼通電に使われるパルスでどこまでの筋収縮が可能なのかは分かりませんが、電気の強さを上げすぎるのは避けた方がいいかと思います。
受けている側は気持ちいいと感じるところでストップしてもらいましょう。
電気を流して大丈夫なのか
顔面神経麻痺の方への電気を使った美容鍼は余計に筋肉の収縮を促してしまうためよくないのですが、そのことがお顔の筋肉に電気を流して大丈夫なのか、という安全性を問う声に繋がっているようです。
日本メディカル美容鍼協会ではこのように回答しています。
年間数万件のパルス美容鍼施術が行われているなかで、重大な有害事象報告は上がってきていません。
その状況下で、「顔面神経麻痺の患者にパルスは有害である」=「パルス美容鍼は有害である」と結論付けるのは早計だと考えます。
何故なら、パルス美容鍼が有害であると結論付けられた研究は無いことに加え、我々はそのリスクの可能性だけを論じるのではなく、ベネフィットも合わせて論じるべきだからです。
一方で、パルス美容鍼を提供する鍼灸師は、顔面神経麻痺の患者に低周波治療は推奨されていないことを頭に入れ、その理由や表情筋の特性をしっかりと理解して施術に当たるべきです。
例えば、顔面神経麻痺の方やその既往歴のある方にはパルス美容鍼は避け、それ以外の方にも必要以上に粗大な表情筋運動は避けるべきでしょう。
過去の経験からみて可能性は低くても、表情筋への通電で何かしらの問題が起きるリスクはゼロではないからです。
僕も上記の通り、筋肉を過度に電気で動かすのはどうかなと思います。
しかし、微弱なものならば効果が出ているのは事実です。
電気を流すことで衰えてしまった筋肉にも刺激を与えることができますしね。
ただ、お顔に電気を流すわけです。
鍼灸師それぞれが注意深く治療に入り、説明もしっかり行う責任がありますね。
顔面神経麻痺についてもパルスを使用して治療を行っている治療院もあるそうです。
この部分に関しては今後の研究が進むことを願います。
実際に美容鍼しているところ
僕はこんな感じでやっています。
サイドとおでこの生え際は引き上げて筋肉をそこで固定するように鍼しています。

頭の筋肉も緩めてあげることで、肩こりや頭痛の改善も期待できます。
美容鍼というネーミングですが、顔や頭への鍼は身体を調整することにもつながります。
美容鍼のリスクについて
美容鍼のリスクで一番あげられるのが「内出血」です。
お顔には毛細血管がたくさんあります。
身体でも同じですが、正直いうと内出血を100%防ぐことは不可能です。
ただ、もしも内出血が出たとしても小範囲ですし、ぶん殴られたようなすごいアザにはなりませんのでご安心ください。
メイクで隠れます。
また、内出血自体も1週間、長くても3週間も経過すれば消えます。
写真撮影や結婚式など大事なイベントがある直前はお顔への鍼は控えたほうが良いでしょう。
しかし、イベント前にキレイになりたいですよね?
そんなときは目立たないアゴの辺りや頭の筋肉への鍼でしたら安心です。
アゴだけでもフェイスラインがシャープになりますし、頭の前と横の筋肉に鍼をして緩ませるだけでも効果は十分にありますよ。
内出血が出やすい方
体質によっては内出血が出る可能性が高くなることがあります。
- 体調がすぐれない方
- 寝不足の方
- ストレスフルでお疲れの方
- ワーファリンなどの血液サラサラ薬を服用している方
- 高齢者の方
内出血が出てしまったら
まずはその部分を10分ほど冷やしましょう。
冷やすのに使用するものは、氷をビニール袋に入れたものをタオルで包んだものを使用してください。
そこまで冷やす方はいないと思いますが、保冷剤は凍傷の可能性があるためやめましょう。
2日ほど経過しアザが薄くなってきたら今度は患部を温めて血流をよくし、自然治癒力を高めましょう。
内出血が出ているときはグリグリとマッサージしてしまうとアザの範囲が広がってしまいますので注意してください。
内出血を避けるために
僕は内出血を極力避けるために
- 0.14㎜以下の細い鍼を使用する
- 扱いやすい短い鍼を使用する
- クマなど瘀血の部分は避ける
- 電気は本当に微弱
- 鍼を抜くときほど慎重に
- 出血した場合は絞り出す
- 出血した場合など、説明はその都度する
ということを心がけてやっています。
それでも内出血は起こるときは起こってしまいます。
円皮鍼をほうれい線に自分で貼るのはいいの?
最近見かけたのですが、自分でほうれい線などに円皮鍼を貼っている人がいたのですが、鍼灸師でない限りはやめておいた方がいいかもしれません。
円皮鍼についている鍼はとても短く、細いものなのですが適当に貼っていると内出血を起こす可能性があります。
また、1度使用したものを再利用したり、連休などで貼りっぱなしにしていると衛生面でよくありません。
ましてや、良かったからと言って誰かに貼ってあげるなんてことはしてはいけません。
鍼灸師の人に貼ってもらうのはいいのですが、何も指導を受けずに自分で使用するのは一応やめておきましょう。

美容鍼はどのくらい受けるのが効果的なのか
食べるものや生活の仕方にもよりますが、美容鍼は受けてから1週間ほどは効果が持続します。
まずは本来のお顔を取り戻すためにも最初の1ヶ月間は最低でも2週間に1回、美容鍼を受けましょう。
個人差はありますが、あまり間を空けずに回数を重ねると筋肉も緩みやすくなり、ターンオーバーのサイクルも正常に戻るので良い状態がキープしやすくなります。
ターンオーバーのサイクルが正常に戻れば、28日のサイクルに合わせて月に1回の施術でも効果が持続するようになりますよ。
美容鍼を受けた後はしっかりと化粧水などを入れて、お肌を労ってあげてくださいね。
美容医療との併用
美容鍼を受ける方で、ボトックスやヒアルロン酸注射など、他の美容医療と合わせて受ける方も多くいます。
もちろん、全然OKです。
しかし、美容鍼は細胞を活性化させたり血流を良くしたりするため、ヒアルロン酸などの吸収を早めてしまいます。
もちろん受けてもらっても構わないのですが、両方受けるのなら美容鍼を先に受けましょう。
逆に、ボトックスなどをして自分の理想とは違った場合、吸収を早めるということを利用して美容鍼を後に受けるという使い方もあります。
美容鍼は美容整形やボトックスなど、すぐに劇的に変化があるわけではございません。
ただ、自然治癒力を利用しての美容法となるため身体への負担も少なく、非常にオーガニックな美容法となりますのでまずは美容鍼を受けてみてはいかがでしょうか。
今後の美容鍼について
ここからは個人的な考えのお話になります。
20代前半から人の身体に触れるお仕事をしてきて、特に新宿の南口という多忙なビジネスマンが溢れる場所でマッサージのお仕事をさせていただいて感じたのは「多忙になると自分を無視してしまう」ということです。
今でも患者さんを診させてもらっていると、多忙で優しい人ほど自分の身体を無視しています。
ヘトヘトになって身体がガチガチになっていたり、しっかり寝れていなかったり、体臭や口臭がキツくなっていたり、お酒をたくさん飲んでしまったり。
筋骨格系の調整をしたり、不定愁訴を治すために全身を診たり、それはもちろん必要です。
でも、入り口として自分に自信を持つためにも、自分を好きになるためにも美容鍼が治療の入り口になるのもアリなのではないでしょうか。
お顔と頭には全身につながるツボがたくさん存在するので、美容鍼だけでも全身の調整にはなると思っています。
その前段階で、自分がキレイになる感覚を持ってもらうことは自分を振り返る、いいキッカケになるのではないかと。
身体の不調の自覚症状がなくても、生活の質(QOL)を向上させる一つの手段として美容鍼は位置すると考えています。
自分がキレイになったら、そりゃ誰でもテンション上がりますしね。
また、高齢者の方は内出血のリスクが高まりますし、なかなか美容鍼の効果が出にくくなります。
しかし、「何歳になってもキレイでいたいのが女性だ」と僕のおばあちゃんも言っていました。
美容鍼、受けたがっていますし。
高齢者の方は知らないだけで、需要は全然あると思います。
年齢関係なく、美容鍼は皆さんにオススメしたいですね。
おわりに
僕はシャンプーだとか化粧水だとかコスメ品が好きです。
思春期のときにニキビに大いに悩まされて、今でも肌は弱く荒れやすいためキレイな肌とは言えませんがある程度ニキビが落ちついてからは人に会うのも楽しくなりました。
美容って、生活に直結するんですね。
多忙な世の中でも、皆さんが自信を持って、元気に過ごせますように。
美容鍼、是非お試しあれ。