
「飲む点滴」と呼ばれている甘酒。
甘くてドロッとしている独特の味わいが好きな人にはたまらないですよね。
甘酒は発酵食品ですし、ビタミンB群や必須アミノ酸、抗酸化成分などなど身体にとって良い成分が豊富に含まれています。
しかし、どうしてもあの甘さはいかがなものかと引っかかっていました。

そんな疑問から今回は、甘酒の糖質について調べてみました。
いくら栄養豊富なものでも、単品の過剰摂取は身体によくありません。
それは甘酒も、同じでした。
甘酒の種類によっても糖質量は変わってくるので甘酒の種類について確認してから、甘酒に含まれている糖質の量をみていきましょう。
目次
甘酒には2種類の作り方があった
甘酒には2種類の作り方があるのはご存知ですか?
- 酒粕から作る甘酒
- 米麹から作る甘酒
少しだけ、この2種類の甘酒について説明していきます。
酒粕から作る甘酒
酒粕から作る甘酒というのは、正月の初詣で配られるドロッとしたタイプの甘酒です。
酒粕から作られているためアルコールが含まれています。
といっても、正月に配られる甘酒は煮込んでアルコールを飛ばしているので、お子様やお酒の弱い方でも飲めるようになっています。
また、酒粕から作られる甘酒には砂糖が加えられています。
ドロッとしていてカロリーも高く、砂糖も含まれているため正月などでたまに飲むのなら良いのですが身体のためと思って常飲するのはオススメできません。
米麹から作る甘酒
こちらはドロッとしたタイプの甘酒ではなく、サラッとしたスープのような甘酒となります。
米と麹が原料となっていて、米と麹を発酵させて作られています。
米麹の甘酒には砂糖が加えられていませんが、発酵させる過程で米のデンプンがブドウ糖に変わるため甘味があります。
飲む点滴と言われるのは豊富な栄養価とブドウ糖が含まれているからだったんですね。
もしも甘酒を飲むのであれば砂糖が添加されている酒粕から作る甘酒ではなくて、こちらの米麹から作る甘酒を選んだ方が良さそうです。
甘酒には大量の糖質が含まれていた
さて、問題はどのくらい甘酒には糖質が含まれているかです。
ちまたで身体に良いとされているのは米麹から作られる甘酒の方なので、こちらの糖質量をみていきましょう。
最近CMでも紹介されていて僕もポツポツと飲んでいるのはこちら、マルコメさんの「プラス糀甘酒」です。
ドロッとした感じはなく、冷やして飲んでもとても美味しく飲めます。
原料は「米、米麹、食塩」の3つだけでとてもシンプルに作られています。
なんと乳児にも適した甘酒だそうです。
マルコメさんのHPでも赤ちゃんの画像が使われていて、「身体に優しいよ」というのが全面に押し出されている感じです。
確かに甘酒の原料となっている米のデンプンは発酵によってブドウ糖にまで分解されていますからね。
消化の負担も少なく、その点では身体に優しいのかもしれません。
では、栄養成分表示を見てみましょう。
炭水化物が21.0gとなっています。
マルコメさんのHPのよくある質問を見てみると
Q 糀甘酒の糖質はどれくらいですか。
A ストレートタイプのものにつきましては、パッケージ栄養成分表の炭水化物の量に近い数値が糖質とお考えください。
ということは1本(125ml)に約21gの糖質が含まれていることになります。

125mlに21gの糖質量ってどのくらいか
数値だけだとちょっとわかりにくいので、糖質がたっぷり入っている飲み物と比較してみましょう。
コーラ
よく糖質たっぷりの飲み物として悪者扱いされるコーラの糖質量を見てみましょう。
100ml当たり11.3gの糖質が含まれています。
角砂糖1個を4gとして計算すると100mlで約3個分の角砂糖が含まれていることになりますね。
300mlのペットボトルだと角砂糖約10個分くらいの糖質、といったところでしょうか。

レッドブル
カフェインと糖質の多さから、人々に翼を授けてくれるというレッドブルはどうでしょうか。
100ml当たり10.8gの糖質が含まれています。
コーラと比べると若干、少ないですね。
それでも100mlで約2.5個分の角砂糖が含まれていることになります。
ショート缶だと容量は185mlなので角砂糖が約5個分といったところでしょうか。
うーん、これも多いですね。
甘酒
糖質量を整理してみましょう。
- コーラ100ml=11.3g
- レッドブル100ml=10.8g
- 甘酒125ml=21g

糖質だけを見てみると甘酒がかなり糖質を含んでいるのがわかりますね。
お米自体には糖質の他に食物繊維が含まれているため単純に「角砂糖〜個分」とは表現しにくいですが、甘酒の場合は発酵によってブドウ糖にまで分解されています。
そうなるとコーラやレッドブルといった清涼飲料水と同じように糖質の吸収も早くなり、血糖値も急上昇します。
果糖ブドウ糖液糖などの精製された砂糖ではないとはいえ、糖質のことを考えるなら空腹時に飲むのは避けた方がいいでしょう。
飲むのであれば、糖質の吸収を穏やかにしてくれる食物繊維と一緒に飲むといいかもしれませんね。
特に高血糖の方は注意が必要です。
もしも飲みたい場合はお医者さんに相談したほうが良いでしょう。
なぜ甘酒は「飲む点滴」なのか
甘酒には必須アミノ酸やビタミン類、酵素や抗酸化成分(エルゴチオネイン)が含まれていて、ブドウ糖も豊富に含まれています。

栄養成分がカロリーメイトと甘酒とでは異なるのでちょっと違いますが、色々と調べていて「カロリーメイトみたいだな」と思いました。
江戸時代から飲まれていたという甘酒、当時は冬ではなく夏に飲まれていました。
江戸時代では夏の死亡率が高かったそうで、そんなときに栄養豊富な甘酒が飲まれていたとのこと。
どうやら甘酒は江戸時代のエナジードリンク的な飲み物だったようです。
その栄養価の豊富さから、いつしか「飲む点滴」と呼ばれるようになりました。
とはいえ、今は時代が違います。
栄養価の高い食べ物が豊富すぎるほどあるので、同じような摂取の仕方をしてしまうと糖質過多になってしまうでしょう。
甘酒は1日にどのくらい飲んでいいのか
いくら栄養価が高いからといって、ガブガブ飲むものではありません。
現代は糖質が大量に含まれた食べ物や飲み物、調味料がたくさんあります。
江戸時代とは違うわけです。
水のように飲んでしまっては身体は一気に糖化してしまいます。
甘酒の1日の摂取量について調べていると200mlまでと書いてあるサイトが多いのですが、他に食べるものや運動量の低下などを考えるとマルコメさんの「プラス糀甘酒」(125ml)を1本飲むくらいがちょうどいいのかなと思います。
僕は朝、ジムに行く前に飲んでいます。
これは個人的な体験談になりますが、今まではジムに行く前にプロテインと青汁、ビタミンやオメガ3のサプリメントを飲んでからトレーニングをしていたのですが、甘酒を加えたことによってトレーニング中の集中力が持続するようになりました。
その人の体調にもよりますが、過剰摂取をしなければ身体に良いものかと思います。
おわりに
いくら身体に良いものでも、過剰摂取は良くありません。
甘酒も同じです。
特に甘酒は糖質も多く含まれていますので、1日の限度というのを考えて飲むようにしましょう。
甘酒自体は悪いものではありませんが、注意は必要です。
抗酸化力の高いエルゴチオネインという物質も含まれているし、お通じにも良いためコーラやレッドブルなどの清涼飲料水よりは断然良いものでしょう。
しかし、糖質が多いことは事実です。
ガブガブ飲まないように気をつけてくださいね。
甘酒に限らずですが、太りたくないなど身体に気をつかうのであればカロリーよりも糖質の表示に気をつけましょう。
また、高血糖の方は一度お医者さんに相談してから飲むようにしましょう。